皆様こんにちは
蓬田でございます!
今日も「愛国の歌」を、皆様とご一緒に鑑賞しまいりましょう!
今日の「愛国の歌」はこちらでございます。
あし原(はら)や この國(くに)ぶりの 言(こと)の葉(は)に
栄(さか)ゆる 御代(みよ)の 声(こゑ)ぞ聞(きこ)ゆる
小澤蘆庵(をざは ろあん)
小澤蘆庵は、江戸中期の人です。
尾張藩家の家臣。
三十歳の頃、公卿で家人の冷泉為村(れいぜいためむら)に入門しました。
しかし、その後「ただごと歌」を主張して、為村から破門されています。
「ただごと歌」とは、そもそもは紀貫之が「古今和歌集」仮名序において提唱した歌論です。
誰もが理解できる平明な歌のことです。
当時の歌人たちが古今調を避け、万葉調を重んじていました。
そうした中、蘆庵は古今調の「ただごと歌」を主張したのです。
歌の意味は、
我が日本の国風(こくふう)である和歌こそ
弥栄(いやさか)えに栄える大君の声が聞こえる
「あし原」は、日本国の意味。我が国を表す言葉です。
歌の下に「言の葉」を引き出す縁語でもあります。
「この国ぶり」は、日本の国風。
蘆庵は尊王論を展開した国学者でもありました。
精神科医で歌人でもあった斉藤茂吉は「近世歌人評伝」(1932年、昭和七年)において、蘆庵のことを次のように書いています。
蘆庵は無技巧派、自然流露派であり、心をよく説いている。
その心とは、まじり気のない自然の心、自分の心である。
今日の一首が、皆様の心に感じるところがありましたら幸いです!