文学をどう読むか?

わたしは、現代に生きるひとりの人間として、「人生をどう生きるか」というアプローチから読みたい。

「どう生きるか」とは、狭い意味の「道徳」ではない。

むしろ文学は、既存の道徳に対して疑問を突き付ける作品が多い。

人間はただたんに「ここにある」という存在ではなくて、「何者かになろう」とする存在である。

文学における「どう生きるか」とは、この「何者かになろう」とする意識と無関係ではない。

文学を読むことで、人間を広くそして深く理解できる。

文学を読むことの意義は、より豊かに人間を知ろうとする願いと、人生をいかに生きてゆくかという決意につながるのである。

これは、文学評論家の佐古純一郎先生の文学に対する考えをまとめたものだ。

先生は、文学を読むとは、自分が何者かになろうとする意識とつながり、人生をいかに生きるかという決意、につながるとおっしゃる。

そうなのだ。文学とはエンターテインメントではないのだ。

私自身を振り返ると、過去の文学作品を手に取り読もうとするとき、エンタメ的感動やエンタメ的面白さは求めていない。

漠然とですが、作家の人生や作品が書かれた時代背景などを求めようとしています。そして自分の人生や視野を広げようとしているのです。