文学をどう読むか?
わたしは、現代に生きるひとりの人間として、「人生をどう生きるか」というアプローチから読みたい。
「どう生きるか」とは、狭い意味の「道徳」ではない。
むしろ文学は、既存の道徳に対して疑問を突き付ける作品が多い。
人間はただたんに「ここにある」という存在ではなくて、「何者かになろう」とする存在である。
文学における「どう生きるか」とは、この「何者かになろう」とする意識と無関係ではない。
文学を読むことで、人間を広くそして深く理解できる。
文学を読むことの意義は、より豊かに人間を知ろうとする願いと、人生をいかに生きてゆくかという決意につながるのである。