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2025/3/31
2025/05/05 -YOMO-NOVEL
冷たい雨が降り続いている。春先とはいえ、きのうから急に気温が下がり、まるで冬の残滓が街を覆い尽くしているようだ。 僕はコートのボタンを締めなおして、冷たい空気を遮断する態勢を整えた。 駅から出る …
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A small bird living in the countryside is crying
2025/03/28 -YOMO-NOVEL
Once upon a time, a man went from a gorgeous city to an eastern country. The scenery of the eastern …
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化粧
2025/02/22 -YOMO-NOVEL
北茨城の冬は、東京よりも寒さが厳しく感じる。二月の末になって、梅がようやくほころび始めたが、風は鋭い針が肌を刺すように冷たかった。 そんな季節に、私は生まれて初めてこの町を訪れた。 私が勤める会 …
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山道記
2025/02/21 -YOMO-NOVEL
(一) 朝、夫はいつものように職場に行くため家を出た。それきり帰らなかった。 夫は地元の役所に勤めている。 夫が家を出たあとすぐに、中学生の娘が家を出て学校に行った。 私も娘のあと、家を出た。私は地元 …
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担々麺
2025/02/08 -FOOD・COOKING・RESTAURANT, YOMO-NOVEL
余、妻子を携へて近郊の食堂に赴く。食堂はデニーズと称し、近頃、内装を新たにし、高級感を備えし様に変われり。 メニユも一新し、嘗ては食するに及びて、「この味は如何なものか?」と訝ること多けれど、ここ数年 …
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成人式のリフ 短編小説
2025/01/16 -YOMO-NOVEL
成人式の朝、佐野市文化会館の前庭には、白い陽光が一面に降り注いでいた。日差しはあるものの、北関東特有の肌を刺す寒さが大気に満ちていた。 前庭に集まった鮮やかな振袖の群れは、いくつものグループを作り談笑 …