皆さん、こんにちは
蓬田でございます!
きょうも「愛国の歌」を、皆様とご一緒に鑑賞してまいりたいと思います。
きょうは「愛国の歌」14回目です。
帰(かへ)るべき
道(みち)しなければ
これやこの
行(ゆ)くをかぎりの
逢坂(あふさか)の関(せき)
北畠具行(きたばたけともゆき)
具行は、鎌倉時代末期の公卿。後醍醐天皇に仕えました。
後醍醐天皇の倒幕行動、いわゆる元弘の乱のときにも、後醍醐天皇に従います。
後醍醐天皇らは笠置山に立て籠もりますが陥落。具行も捕らえられます。
鎌倉へ護送される途中、近江国柏原で幕府の命により処刑されました。年43。
大正4年、正二位を贈られました。
この歌は、死を覚悟した具行が、逢坂の関を越えるときに詠みました。
増鏡、太平記、新葉集に出ています。
かつて蝉丸は
これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂の関
と詠みました。
旅人が、逢坂の関で会ったり別れたりすることを詠んだ歌です。
具行は、一度この逢坂の関を越えたならば、再び帰ってくることはない。
「行くをかぎり」の自分である。
悲しくもさっぱりと諦めたのであります。
きょうの歌が、皆様の心に感じるところがありましたら幸いです!