皆さんこんにちは
蓬田でございます!
今日も「愛国の歌」を、皆様とご一緒に鑑賞してまいりたいと思います!
今日は「愛国の歌」20回目です。
君(きみ)なくば 憂身(うきみ)の命(いのち) なにかせむ
残(のこ)りて甲斐(かひ)のある 世(よ)なりとも
三宅治忠(みやけはるただ)
天正六年、羽柴秀吉は播州三木城を攻略。
城主別所長治は、臣下、領民とともに籠城して徹底抗戦しました。
秀吉は兵糧攻めを行い、場内では兵士や領民の餓死者が続出。
城主長治は自分の命と引き換えに、臣下、領民の助命を秀吉に願い出ます。
天正八年正月、三木城は落城。
家老三宅治忠は主人長治を介錯、おもむろに刀を取り直し、腹を十文字に掻ききって殉死しました。
上の歌は辞世です。
下の句「残(のこ)りて甲斐(かひ)のある 世(よ)なりとも」に、治忠の信念が籠もっております。
もし、この修羅場を切り抜けて身を隠し、やがて捲土重来したならば、あるいは主家を復興し、自分も出世するかもしれない。
しかし、自分にはそれができない。そういう心持ちにはなれないのである。
主人長治の命がすなわち臣治忠の命なのである。
今日の一首が、皆様の心に感じるところがあれば幸いです。