平成三十年(2018)8月22日撮影
帝国在郷軍人会が昭和8年8月に建てた。
橋のたもとにひっそりにたたずみ、いまはまるで見捨てられた存在だが、現存しているのは嬉しい。
帝国在郷軍人会は明治43年(1910)11月3日、予備役・後備役軍人の軍人精神向上、傷痍軍人・軍人遺族の救護などを目的に発足した。
総裁は、伏見宮貞愛親王が就任された。
わたしがこれまで見た国旗掲揚台は、神社に設置されていた。
ここのように、市街地の中、通りのはじに設置されているのは初めて見た。
国旗掲揚台の前は、すぐそこに昭和通りが走り、スペースは広くない。
大人十人くらいが集まるくらいだろうか。
昭和八年当時は、昭和通りを走る車はいまより大分少ないはずだから、道にはみ出して人が集まっても支障なかったのかもしれない。
国旗掲揚所としてのスペースとしては、これくらいで十分機能していたのではないかと推察した。
ところで、ここまで書いてきたことは、この国旗掲揚台が移設されたのではなく、昭和八年からここに建っていたということが前提である。
わたしは掲揚所に立ち、周囲を見渡してみると、ずっと同じここに建っていたという気がしてならない。
わたしは昭和通りのすぐそば、川の流れを背景に、橋のたもとに翩翻と翻る日の丸の姿を思い浮かべる。
美しい光景が頭の中に描かれた。