皆さんこんにちは
蓬田でございます!
今回は台湾・高雄市長のリコールについてです。
2020年6月6日、台湾高雄市で韓国瑜(かんこくゆ)市長(写真)のリコール解職請求投票が行われました。
賛成票が94万票、反対票が2万票と、賛成票の圧倒的多数で、賛成票が規定である有権者の4分の1も上回っていることから、リコールが成立しました。
投票率は42.14%。
ちなみに、2018年に韓氏が高雄市長に当選したときの得票数は89万票でした。
台湾の公職人員選挙罷免法では、当事者が投票結果に疑問を持つ場合は、投票結果の公表日から30日以内に、管轄裁判所に無効を求める訴訟を起こせます。
韓市長が、無効訴訟を起こすか注目されていました。
韓氏は自身のFacebookで「市民の意思を尊重する」として、選挙無効訴訟を起こさない姿勢を表明しました。
これによって、市長は、13日までに失職することになります。
韓氏は、2020年1月の台湾の総統戦に、野党国国民の公認候補として出馬しましたが、現職の蔡英文総統に大敗しました。
韓氏は、戦後中国大陸から台湾に来た外省人の2世。
2018年の統一地方選で高尾市長に、中国との関係改善を訴えて当選しました。
しかし、当選してから半年も立たずに、総統選出馬の準備を始めました。
高雄市前文化局長のイ立氏らによって設立された民間団体「WeCare高雄」は、韓氏が市長当選からわずか4か月後に総統選挙への立候補を表明したことは、政治的責任と誠実さに欠くことだとして、リコール運動を起こしました。
有権者からも、総統選挙に立候補したことに批判を受けていました。
香港で起きた反中デモや、米中対立の深刻化にともなって、台湾でも対中感情が悪化しています。
親中派である韓氏に対する反発も、さらに強まっていました。
韓市長は任期2年を残していることから、法律により、補欠選挙が9月12日までに行われます。
それまでは、行政院(内閣)が代理市長を派遣します。
行政院直轄市の市長がリコールされるのは、今回が初めてです。
米台の軍事関係がさらに進む?!
韓氏のリコールを受けて、今後は米台の軍事交流がさらに進む可能性があります。
高雄は東アジア有数の軍港があります。
高雄に米軍艦が寄港する構想は3年前からありましたが、中国が反発し、地元首長の韓氏も消極的な姿勢を示していました。
9月の補欠選挙では、行政院副院長(副首相に相当)の陳其邁氏(民進党)が立候補する予定で、当選する可能性が高いとみられています。