こんにちは 蓬田でございます。
今日は皆さんと一緒に医療について考えてみたいと思います。
皆さんはどうお感じになるかちょっとわからないのですが、私にとっては意外だったことがありました。
それは、病院の一般病床の数が、近年減っていることです。
国や自治体は、政策として減らしていると思います。
減らすのがいいかどうかは別として、その理由について、不安を感じました。
下のグラフは一般病床の数の推移です。
青い線が一般病床の数、赤い線が対前期比の増減数を表しています。
グラフは、1955年(昭和30年)から2015年(平成27年)までの推移です。
グラフを見ますと、1990年までは一貫して増加。1990年をピークとして、後減に転じています。
ピーク時には153万の病床数があったものが、その後減少して、グラフの最後の年は2015年になっておりますが、133万床になっています。
1年あたり、平均すると4万床が減少している感じです。
毎年約4万床減っていますので、昨年2019年は、このグラフから推測すると、110万床位でしょうか?
ピーク時に比べると、約3分の2に減っています。
もうひとつ、グラフをお示しします。
下のグラフは、1000人あたりの病床数の国際比較です。
病床数が最も多い国は日本で、13.1となっています。
2番目に多いのが韓国で12.0。
3番目のドイツをはじめ、以下ぐっと減っています。
先進国を見てみますと、例えば、フランスは6.1、アメリカは2.8、イギリスは2.6となっています。
個人的に意外だったのが、チェコ、リトアニア、ポーランドなどのバルカン半島や東ヨーロッパの国の病床数が多いことですね。
このグラフにはありませんが、台湾を調べたら6.8でした。
わたくしはこの事実を知ってとても意外に思いましたが、みなさんは如何でしょうか?
私の肌感覚では、病床数は増えているような印象だったからです。
わたくしが目にする範囲ですけれど、都心の病院は、どんどん増床していますし、自宅の近くにも新しい病院ができています。
実家(栃木県)でも、既存の病院は建て替えて大きくしています。
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考えるに、日本の病床数が減っているのは、ひとつは病院経営の側面から見て、病床数を減らし、コストを抑えたいのではないかということ。
そしてもうひとつは、国・自治体の政策として、外国に比べて日本は多いので外国並みにすると言う意識があるのではないかということ。
病院経営の話はとりあえずここではおいて置きまして(記事が長くなりますので)、わたくしが懸念するのは、外国と比べて日本は多いから減らす、という意識が、政治家や役人の方々にあるかもしれないということです。
各国には、それぞれ培ってきた伝統や文化があります。
他の国がどうだからと言うことで、日本もそれに合わせるというのはいかがなものかと思います。
例えばですが、古い話で恐縮ですが、江戸時代日本の国民の識字率は8割とも9割とも言われて、世界でトップでした。
江戸時代に教育に携わっていた人たちは、他の国の識字率が低いから、日本も低いままでいい、ということではなかったでしょう。
他の国の政策を参考にするのはよろしいと思います。
しかし、他の国に合わせるような考え方は、もうそろそろやめてはどうでしょうか?!