2025/11/17新鎌ヶ谷

ティラミス
イタリアンプリン
コーンピザ
エスプレッソコーヒー

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休日の午後、わたしは妻といっしょに新鎌ヶ谷駅前のショッピングモールに行った。

妻は冬用の衣類を2着買った。

靴も買いたいので、靴屋に入り、陳列してある靴を眺めた。

妻は、いま履いているのと同じような靴がほしい、と言って探していた。

私は、店員に聞いたらいい、と言った。

妻は近くにいた店員に、これと同じような靴を探している、と自分が履いている靴を指さした。

店員は陳列棚に案内した。しかし、そこには妻が履いているのとはだいぶ違う靴が並んでいた。

店員はなるべく同じような靴を選んで提案してくれた。それを理解しながら、わたしたちは靴は買わずに店を出た。

買い物は疲れる。休みたい。少し歩いた目の前にサイゼイリアがあった。わたしはそこで甘いスイーツとコーヒーを飲みながら休もうと、断るはずないと知りながら、妻に言った。

わたしたちはサイゼイリアのドアを開けて店内に入った。

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わたしはサイゼリアが好きだ。使いやすく、ちょっと休みたいとき、あるいは食事したいときはよく利用する。

その理由を今回考えてみた。

理由は、居心地がいいからなのだが、その居心地の良さはどこから来るのかといえば、わたしは、フラット感、だと考える。

サイゼリヤのメニューは、低価格設定である。

単に価格が安いというだけではない。誰にとっても同じであることが重要だ。

所得が多い人もそうでない人も、学生も高齢者も、社会的な評価を受けている人もそうでない人も、みんなが安心できる価格で食事を楽しむ。

これが、来店客の心理をフラット化させる。

個人の属性がサイゼリヤでは一時的に消えるのだ。

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サイゼイリアの居心地の良さの理由を、もうひとつ考えた。

店内が適度に「密室化」されているのだ。

ほかの外食チェーン店、例えばすき家の店内空間は照明と外からの光で明るく開放的だ。通りから丸見えで、とてもカジュアルである。

それに対してサイゼリヤは、壁の色は暗くはないものので抑えた色調で、配色は暖色寄りだ。

照明は適度に落とされ、リラックスできる。

壁面にはルネッサンス風の絵画が描かれている。テーマは宗教画風であり、それも心を落ちつかせる効果がある。

街のなかにつくられたサロンのようである。

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最後に指摘したい点がある。

サイゼイリアが提供する食事は、本格的なイタリア料理ではない。

サイゼイリアはできるだけ本場の味を楽しんでもらおうとしている。

それは客も分かっている。同時に客は低価格で本格的なイタリアンが食べられないことも知っている。

サイゼイリアは、サイゼイリアという空間にだけ存在する架空のイタリアなのである。

客はいつもとは違う非日常の空間に身を置けるのだ。それも低価格で、居心地のいいフラット感を感じながら。それがサイゼイリアの魅力だとだと思う。