國譲りがなり、葦原中つ国は天つ国が支配することとなった。
天照大神は天照大神の子、天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)に、地上に降りて統治するよう命じた。
そのとき、天忍穂耳尊に瓊瓊杵尊が生まれた。
天照大神は瓊瓊杵尊に地上に降るよう命じた。
瓊瓊杵尊は高千穂(いまの宮崎県)に降り立った。
地上に降りた瓊瓊杵尊はコノハナサクヤヒメを見初めた。
コノハナサクヤヒメは瓊瓊杵尊に、わたしの父に会って、わたしたちの結婚を許してもらってほしいとお願いした。
瓊瓊杵尊は父親に会って、結婚の許しを願い出た。
父親は天照大神の孫から結婚申し込みを喜んだ。
コノハナサクヤヒメだけでなく、姉のイワナガヒメも瓊瓊杵尊のもとに嫁がせた。
瓊瓊杵尊は願いが叶い、満足した気持ちで自分の宮殿に帰った。
数日後、婚礼の支度が整った姉妹が、瓊瓊杵尊の宮殿に嫁いできた。
瓊瓊杵尊はこの数日間、コノハナサクヤヒメが来るのを心待ちにしていた。
挨拶に来たコノハナサクヤヒメを見ると、愛おしさが溢れた。
コノハナサクヤヒメに続いて姉のイワナガヒメが挨拶した。
瓊瓊杵尊はとまどった。イワナガヒメの器量は瓊瓊杵尊にとって悪すぎたのだ。
器量の悪さに、妻にするには畏れ多く思い、イワナガヒメは父親のもとへ返した。
二柱の姫神はそれぞれに重大な意味を帯びていた。
コノハナサクヤヒメは物質的な繁栄を意味していた。
イワナガヒメは永遠の命を意味していた。
瓊瓊杵尊とその子孫である歴代天皇は永遠の命は失った。
瓊瓊杵尊は天から地上に降りた。ここに、天上界と地上界がつながった。
地上界である日本の国土は、神々の国、天上界と結ばれた。
歴代天皇陛下の役割は、天上界と地上界を繋ぐことが明らかになった。
天上界の霊的世界と、地上界の物質的世界を繋ぐ生き方を実践しておられるのが天皇陛下でいらっしゃる。
天皇陛下は常に民の安寧を祈っておられる。
この祈りは、天上界の神々の霊性に基づいている。
我々は天皇陛下が天上界との繋がりを保てるよう、考えを巡らせないといけないと思う。