2023年11月22日、東芝は臨時株主総会で上場廃止を決めた。
伝統ある名門企業は自ら株式市場を去り、74年間の上場の歴史に幕を下ろした。
東芝が迷走を始めたのは、2015年の不適切会計問題の発覚だった。
発覚から3か月後、歴代3社長が辞任した。
2016年3月、医療機器分野をキヤノンに売却し、同年6月には家電分野を中国企業に売却した。
2015年3月期の売上高は6兆7000億円あったが、2023年3月期は3兆4000億円に半減した。
迷走を続けながらも回復を図っていたが、痛手となったのは、米国の原子力発電会社ウエスチングハウス（WH）が経営破綻したことだ。
東芝は2006年、原発建設ラッシュを見込んでWHを6000億円で買収した。
しかし2011年に福島第一原発が事故を起こすと、原発建設は想定どおりに進まなくなり、巨額の債務が生まれた。
2023年12月20日、上場廃止になる予定だ。
