2026/1/29

The number of suicides among elementary, middle, and high school students has reached a record high. It is very heartbreaking.

厚生労働省は2026年1月29日、昨年の小中高生の自殺者が532人(暫定値)だったと発表した。

昭和55年の統計開始以来、過去最多である。

男女別では男性255人、女性277人。属性別では高校生352人と最多で、中学生170人。小学生10人。

一方で自殺者総数は1万9097人(昨年の確定値より1223人減)。昭和53年の統計開始から最少となった。

(自殺者数は警察庁の自殺統計を基に取りまとめた)

わたしは小中高生の自殺者数が過去最多になったという報道に、胸を痛めました。この出来事を、行政、教育学、教育現場はどう理解しているのでしょうか。(蓬田修一)

行政

行政の立場では、近年この問題を「複合的な要因の結果」として捉える姿勢が強まっています。いじめ、成績や進路への不安、家庭環境の変化、経済的困難、さらにはコロナ禍による生活リズムの崩れや、SNS上での人間関係の緊張など、要因は重なり合っています。

特徴的なのは、「子どもが出していた小さなSOSを、社会として受け止めきれなかった」という認識です。そのため、相談窓口の拡充やスクールカウンセラーの配置など、制度面での対策が進められています。

教育学

教育学の分野では、もう少し長い時間軸での議論が行われています。子どもたちは早い段階から評価や比較にさらされ、「うまくできない自分」を受け入れる経験を持ちにくくなっている、という指摘があります。

また、家庭や地域、学校と分散していたはずの居場所や承認の場が、学校とネット空間に集中してしまい、そこでつまずくと「どこにも逃げ場がない」と感じやすい状況が生まれています。つらさを言葉にし、大人とコミュニケーションするための語彙や関係性そのものが、痩せ細っているという見方もあります。

教育現場

学校現場の教員たちの実感は、さらに切実です。「まじめで問題のない子だった」「特別ないじめは把握していなかった」という声は少なくありません。多くの場合、兆候は小さく、静かで、後から振り返って初めて意味を持つものです。

教員一人が抱える業務量や児童生徒数の多さ、専門職との連携の難しさなど、寄り添いたいという思いだけでは乗り越えられない構造的な制約もあります。

小さな孤立の積み重ね

こうした立場の違いを超えて共有されているのは、自殺は突然起こる出来事ではなく、小さな孤立や違和感が積み重なった結果だという認識です。

そしてそれは、個人の弱さではなく、関係が切れやすくなった社会の問題でもあります。子どもが「助けを求めていい」「少し立ち止まってもいい」と思える回路が、以前より細くなっているのです。

生きづらさを大学にも持ち越す

この問題は、小中高の段階で完結するものではありません。高等教育の現場では、強い不安や自己否定感を抱えたまま大学に進学してくる学生が増えています。

初等中等教育での生きづらさが十分に癒やされないまま、高等教育に持ち越されているのです。

子どもの自殺増加という現実は、教育制度のどこか一部分の問題ではありません。初等教育から高等教育まで連なる一本の線として捉える必要を感じます。