1938-85 (SHOWA13-60)

ストーンズのマネージャーは、デビューにあたってイアン・スチュアートを馘にした。

「お前の容姿はバンドに似合わない。」

こんなことを言われて落ち込まない人がいるだろうか。

気性が強い人なら「ふざけるな!」と怒鳴りつけて、その場を立ち去るだろう。

バンドマネージャーはこう付け加えた。

「ロードマネージャー(要するに楽器運び)になって、ときにはバンドメンバーと一緒に演奏するのは構わない。」

イアンはこの提案を受け入れた。

驚くべき心の広さである。

6番目のメンバーとして、裏方仕事と同時にステージ、レコーディングで活躍していく。

ミックはこう言う。

「レコーディングではスチュ(イアン・スチュアートのこと)のOKがなければ前に進まない。」

キースはこう言う。

「スチュがいたから、ブルースの道を踏み外さず音楽をやってこれた。」

イアン・スチュアートはほかのバンドメンバーからも好かれた。

彼の個人的プロジェクトに「Rocket 88」がある。

これは、チャーリ・ワッツ、ジャック・ブルースらが参加したブルースバンドだ。

ライブを行い、プロジェクト名と同じタイトルのアルバムを制作した。

イアンは、レッド・ツェッペリンの「ロックン・ロール」「ブギー・ウィズ・スチュー」には演奏で参加している。