2026/9/1

中国が反日教育を行っているのは、先日の記事で書いた「中国王朝の正統性」と不可分の関係にある。

中国は学校教育だけでなく、社会教育(博物館などの公共施設)やメディアでも反日教育(メディアの場合は反日洗脳と言ったほうが適切)を行う。

先日の記事でも書いたが、いまの中共政権には政権の正統性がない。

中国歴史上、正統性をもつ政権は台湾の中華民国だ。

中華民国が持つ正統性を取り戻すため、台湾侵攻(台湾統一)の意思を変えないのは、先日の記事に書いたとおりだ。

政権の正統性がない中共政府は新たな「正統性」を発明した。

それが先の日中戦争で日本と戦い、日本に勝った、というものだ。

これは二重の意味で間違っている。

ひとつは歴史的正統性を意図的にすり替えたことだ。

もうひとつは、日本と戦ったのは共産党軍ではなく国民党軍だ。

80年代まで日中関係は、基本的に良好だった。

毛沢東、鄧小平の時代である。

80年代に出張や留学で中国で滞在したことがある人なら肌感覚で分かると思うが、中国人の反日感情を感じることは基本的になかったはずだ。

激変したのは天安門事件(1989年)以降だ。

鄧小平は民主化を求める若者を軍隊で鎮圧しただけでなく、二度と民主化を求める国民が出ないよう、思想的、文化的な圧力を国民に加えた。

そのひとつは反日教育だ。

日本を中国の敵とみなす教育を国民に対して行うことで、日中戦争で共産党が日本に勝ったという嘘を増幅し、日本人はいかに憎むべき人間かという教育を行うことで、共産党政権に向く反権力パワーを反日感情へと転化させている。