2026/4/14
蓬田修一

建国と反共体制の確立期

①李承晩(りしょうばん 1948–1960)

韓国初代大統領。強烈な反共主義を掲げ(北朝鮮との対立の固定化)、国家体制を構築した。

アメリカ依存の安全保障体制を築く。建国の父であるが、独裁者の顔も持つ。

1960年の大統領選挙で不正選挙が問題となり、野党や国民から批判が噴出。不正選挙を糾弾するデモ隊が警官隊と衝突。死者186人。4月に下野し、5月にハワイへ亡命(四月革命)。65年、ハワイで客死(享年90)。

軍事政権と経済成長

②朴正熙(ぼくせいき 1963–1979)

軍事クーデターで政権を掌握。国家主導の工業化を達成する(漢江の奇跡)。

財閥(サムスンなど)を育成。輸出主導型経済を進めた。経済発展の功労者だが、人権を抑圧した。

③全斗煥(ぜんとかん 1980–1988)

軍事クーデターで政権を掌握。強権的軍事政権を維持。経済成長政策を継続。言論を統制した。

民主化を要求した民衆に対して、軍が発砲し154人あるいは198人(韓国軍発表)が死亡(光州事件)。全斗煥大統領は民主化抑圧の象徴的存在となった。

民主化

④盧泰愚(ろたいぐ 1988–1993)

軍人出身だが、民主化への移行を担う。直接選挙による大統領制を導入。

ソ連、中国との関係改善を進める(北方外交)。

民主化への橋渡し的役割を担った。

⑤金泳三(きんえいさん 1993–1998)

初の文民大統領。軍の政治介入を排除した。

金融自由化を進めた。

⑥金大中(きんだいちゅう 1998–2003)

民主化運動の指導者から大統領へとなった。

太陽政策(北朝鮮との対話)を推進。

IT産業を育成した。

ノーベル平和賞受賞。

⑦盧武鉉(ろぶげん 2003–2008)

改革派として知られる大統領。地方分権の推進、権威主義政治からの脱却を目指した。

理想主義的だが政治的対立も激しかった。

保守・革新の対立

⑧李明博(りめいはく 2008–2013)

企業経営者出身の保守派。

経済成長を重視しインフラに投資した。

親米路線を強化した。

実務型だが、後に汚職問題で逮捕された。

⑨朴槿恵(ぼくきんけい 2013–2017)

朴正熙の娘。

保守路線を継承。対北朝鮮では強硬姿勢。

政治スキャンダルで弾劾・罷免される。

⑩文在寅(ぶんざいいん 2017–2022)

革新派大統領として就任。南北融和政策を進めた。

⑪尹錫悦(いんせきえつ 2022–2025 )

検察出身の保守派。対北強硬路線。日米との安全保障協力を強化した。

規制緩和し、市場重視の経済政策を進めた。

⑫李在明(りざいめい 2025–)

日米と中国の間であいまいな姿勢を取る「国益中心のバランス外交」を掲げている。

韓国現代史は大きく以下の流れで把握できる。

建国と反共国家の形成(李承晩)
開発独裁と急速な経済成長(朴正熙・全斗煥)
民主化へ(盧泰愚・金泳三・金大中・盧武鉉)
保守 vs 革新の二極対立(李明博・朴槿恵・文在寅・尹錫悦・李在明)